カブ(HA02)ボアアップで97㏄へ 原因はオイル上がり?

オイル上がりの症状が出たため、ピストンとシリンダー交換の記録です。

症状

初めて気づいたのは、帰宅時にバイクを停めた時でした。

オイルの燃えた匂いがする・・・

4stのオイルが燃えると2stとは違う独特の匂いがするので、すぐ分かりました。

他にも、ニュートラルの状態で回線数を上げて一定に保っていると、一瞬回転数が落ちるような症状と同時に「ゴボッ ゴボッ」のような排気音?が聞こえていました。

その状態から、アクセル開度を一気に全開するとマフラーから白煙が出ます。

ちなみに、白煙が出なくてもずっとオイル臭い。

OH確定です。

症状が出たキッカケ

心当たりごさいます。

キャブをPC20に交換してからというもの、高回転が回るようになったと大喜びしていたことは
カブ90(HA02)ガソリンが勝手に漏れる?キャブをPC20に交換に書きましたが・・・調子に乗りすぎました。

会社帰りに駅から自宅への数分の道、別にパワーが必要な道でもないのに、2速で60キロ以上・・・

引っ張りすぎです。

なお、スプロケなどはノーマルのまま

メータには「50キロで3速に上げてね」と印で丁寧に教えてくれています。

以前にも数回、2速60キロ越えまで引っ張ったことはあったので、さらに「どこまで回るんだろう」という興味もありましたが、振動が凄すぎたのでアクセルを緩めました。

この後、バイクを停めた時に「オイルの匂いがする」となりました。

においがした瞬間に「あっ・・・さっきのかorz」となったのは言うまでもありません。

腰上を分解して分かったこと

実はガスケット抜けでした!今まで散々オイル上がりだと言っておりましたが、ヘッドを外したところ

「おやっ?ガスケットの様子が・・・」燃焼室と繋がったようだ・・・となりました。

部品の入手

ネットで色々と検索を開始し「どれにしようかなぁ♪」と悩んでおりました。

・・・あくまで修理です。

ただ、カブ購入当初からボアアップをいつかはすると決めており、シリンダー加工の必要がないとの理由から武川の105㏄のキットに目をつけておったのです。

がっ!いざ検索すると「見つかりません」・・・ヴぇ!(2023/9 時点)

シリンダー加工が必須の113㏄は有るのに・・・

困りました。

時間があれば113㏄も全然アリなのですが通勤に使いたいのでその選択も出来ませんでした。

そんな中、色々と漁っているうちに見つけたのがこちら

店舗名:Avan Knight(商標登録 第6347213号)

POINT

上記は筆者が買った店舗で、ガスケットの付属についてメッセージをした時も返信(楽天で)をしていただけました。中には類似品?のような販売元もあるので注意が必要です。
購入店舗を間違うと、ガスケットが付いてこないなどのレビューを見かけたこともあります。

タイカブ(C100EX)互換品の中華シリンダー&ピストンです。

注意

上記商品はカブ90やCD90ならポン付けできますが、モンキーなど50㏄エンジンですとクランクの加工が必要になるとの情報がありました。

筆者が買ったときの価格は4000円前後(楽天)でめちゃ安!

しかもポン付けで「85㏄→97㏄」へのボアアップもできてしまうとな!

「本当に付くのか?」という大きな不安がありましたが「4000円なら試す価値はある!」と言い聞かせ購入に至りました。

結果は、特に加工も必要なく装着できました。カブ90・CD90オーナーの方は買いですよ!

POINT

・説明書は付いていません
・ヘッド周りのカバーガスケットは別途購入が必要
筆者はモンキー用のガスケットキットを購入しておきました。

ちなみに武川の105㏄・113ccのキット(カム付き・純正ヘッド使用)は国産&有名メーカーというのもあって4万~5万円以上してしまいます。もちろん精度・強度ともに折紙付きですが、中華の10倍の価格なのでお試し購入はできません。お金ないので!

ボア径の大きさによる排気量の比較

左:中華97cc 右:純正85cc

10㏄しか変わらないのに、ぱっと見でも一回り大きいのが分かりますね。

武川の105㏄・113ccっていったいどれほど大きいのだろうか!?と思って計算してみたら

ボア径はカブ90の標準ストローク幅(49.5㎜)の時

  • 純正/85cc:47㎜
  • 中華/97㏄:50㎜
  • 武川/105㏄:52㎜
  • 武川/113㏄:54㎜
  • 適当/124㏄:56.5㎜

となりました、ボア径が0.25㎜増えるごとに1㏄UPになるみたいですね。

部品組付け

自分用メモなので、細かい分解・組付け手順は割愛します。詳しく知りたい方は「虎の巻」で勉強しましょう!

初心者がつまずくであろう下記ポイントだけ解説しておきます。

  • ピストンリングの入れ方と順番
  • シリンダーへのピストン挿入

ピストンリングの入れ方・順番

リングの名前 金:トップリング 黒:セカンドリング 波型:オイルリング

※この例は今回購入したキットについていたピストンを元に説明しています。場合によっては例外もあるかもしれません。

ピストンリングの構成

まず、4サイクルのピストンリングはシリンダーヘッド側を上として

  1. トップリング(当たり面が金メッキ)
  2. セカンドリング(全体的に黒色)
  3. オイルリング(波型)

の順で装着されています(画像)。さらにオイルリングは

  • サイドレール×2
  • エキスパンダ(波型)

計3枚から構成されています。

ピストンに組み込む順番

なるべくピストンリングに負荷を掛けたくないので、慎重に作業してください。

下記1~4の順番で組み込むとリング溝が下側から埋まるのでやり易いです。

  1. エキスパンダ(波型)
  2. サイドレール×2
  3. セカンドリング
  4. トップリング

逆の順番ではめ込もうとすると、トップリングの溝を使うことも出来ませんし、トップリングを跨いで残りのリングを入れ込む必要が出てくるので、リングに負荷がかり変形の可能性があります。

POINT

オイルリング・セカンドリングは上の溝を使って、順に一段ずつ下げていきましょう。
一気に目的の溝(オイルリングなら3段目)に入れようとするとリングが変形する可能性があります。

リングの向き

トップリングとセカンドリングの合口付近には、リングの表(上側)を表すマークが入ります。

表記は様々で

  • R(リケン)
  • T(テイコク)
  • N(ニッピ)

ボアサイズを意味する

  • 25(025OS)
  • 50(050OS)

などがあります。画像は「R」ですね。

オイルリングのサイドレールには、特に表記も無く、裏表の指示もありません。

ただし、レール合口(Cの隙間部分)を合わせるように押し付けたとき、合口がカクッと傾いた時の尖ったほう(山側)をエキスパンダーに向けるようにして取り付けます。

別の言い方をすると、2枚のレールの山側同士でエキスパンダーを挟んであげるイメージです。

シリンダーへのピストン挿入のコツ

シリンダーを入れる前のチェック!

ガスケット、Oリングを先に入れる必要があるので注意してください。

トップリングから順に1枚ずつ爪でうまく抑えて入れていく人もいますが、車体にエンジンを載せたまま作業する方が殆どだと思うので場所も低く作業しにくいですし、慣れていないと難しい作業ではないでしょうか。

そんな時は、ペットボトルとタイラップで即席ピストンリングコンプレッサーを作っちゃいましょう!

画像のように装着しシリンダーを少しずつ入れていくと、ペットボトルとタイラップはシリンダーによって勝手に下げられていき、リングがシリンダーに吸い込まれていく仕組みです。

POINT

・シリンダー、ピストンにはエンジンオイルを塗っておきましょう
・シリンダーに押されてピストン本体が下がってしまうので、フライホイールを抑えましょう。
・ペットボトルがシリンダーとピストンの隙間に嚙み込む場合があるので注意しながら少しずつ作業してください。

手作りが嫌な方は、商品として売られているピストンリングコンプレッサーを購入しましょう!

おまけ

ヘッドも外したのですから、どうせなら奇麗にしようと思い色々買い漁りました。

・・・画像からピンときた方もいますかね?

キレイにするだけなら必要ない道具が有るのを・・・(笑)

禁断のあの作業もやる予定です。

注意:排気量が上がったら登録番号(ナンバー)更新を忘れずに

今回の作業で、85㏄→97ccへの排気量UPになりました。

90㏄を超えましたので、「黄色ナンバー」→「ピンクナンバー」への変更となります。

  • 黄色ナンバー:2000円/年
  • ピンクナンバー:2400円/年

になりますので、年間たったの400円UPです。

金額の問題ではないですがナンバーの更新を行わないと「脱税」となってしまいますので、必ず行うようにしてくださいね!

また忘れがちですが、ナンバーが変われば自賠責保険の更新も必要となります。保険契約時の資料の中に連絡先が書いてあると思いますので、確認してみてください。

今回使用した道具・部品

まとめ

症状

  • オイルの燃えた匂いを感じる
  • ニュートラルの状態で回転数を上げると、一瞬回転数が落ちるような症状と排気に異音が発生
  • アクセルを開けるとマフラーから白煙が出る

症状の原因

  • キャブをPC20に交換してエンジンの高回転が可能になり、2速で高速走行した結果、オイル上がりの症状が発生

修理過程

  • ガスケット抜けが原因と判明
  • シリンダーとピストンの交換が必要

部品選定

武川のキットは高価だったため中華製の互換品を選択、このキットは4000円前後で入手できボアアップも可能。

ピストンリングの組み込み

4サイクルのピストンリングは上から

  1. トップリング
  2. セカンドリング
  3. オイルリング

の順で装着される

ピストンに組み込む順番は

  1. エキスパンダ(波型)
  2. サイドレール×2
  3. セカンドリング
  4. トップリング

の順で、ピストンリングの向きに注意し、リングに負荷をかけないように装着

シリンダーへのピストン挿入

  • ガスケットとOリングを先に取り付け
  • ペットボトルとタイラップを使ってピストンリングを圧縮してシリンダーに挿入
  • オイルを塗布して作業
  • シリンダーがピストンを下げないようにフライホイールを抑える

初めての方は抵抗が有るかもしれませんが、シリンダー&ピストンの交換は1度行ってしまえば、こんなものかと思うような作業となります。

決して簡単な作業と言いたい訳ではありませんが、先に書いたコツを知るだけでも難易度が下がると思いますので、よく読んで挑戦してみてください。

この後、ヘッドOHも行っています。

カブ(HA02)ポート加工とシリンダーヘッドOH

この記事を書いた人

ノリン

釣り好き、バイク好きの元整備士で、現在SE?をしていることから、勉強にもなるだろうと思いサイトを運営しています。
釣り歴は5年ですが、調べ物が大得意でいくつもの資料で調べた情報と少ない経験を執筆しています。
また、元整備士でホンダ カブ90にも乗っているので、バイクの修理・改造についての記事も執筆しています。
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